水資源が豊富な富士山
湧き水
面積の大きな富士山は毎年たくさんの雨を受け止めていますし、雪が解けて水になった分も含めるととてつもない量の水がこの山には存在することになります。 それらの水分は地下水脈を伏流水として長期間流れまわり、やがては湧き水として日の目を浴びることになるのです。 地中にいる間は伏流水と呼ばれていても、沸き出た瞬間からは湧き水に変化します。 この湧き水にはバナジウムもたくさん含まれており、良質だということでペットボトルに詰めてミネラルウォーターとしても市販されています。 よく「どこどこのおいしい水」というのがありますが、富士山の水素水もそれらと同じように製品化されているのでネットショップなんかで見かけたことも多いとは思われますし、雑誌の通信販売のコーナーで目にした人もいるでしょう。 湧き水と言えば富士山、という人もいるほどで、過去の調査では毎日150万立方メートルもの量が沸いていた時期もあったそうですが、最近ではその絶頂期よりも減少しているという話もあります。 とはいえ今でもかなりの量がありますし、高い所だと標高1600メートルの地点でもバンバン沸いているそうですので枯れる心配はなさそうです。 なぜそんなに大量に湧き出るのか、それは富士山の地形や生態系も関係してくるのだと考えられております。雨水や雪解け水が伏流水として巡回するようになっているのがその秘密なのでしょう。
富士山の洞窟
少年がときめきそうな洞窟は富士山にもたくさんあります。 サイズを問わなければ富士山麓に3桁以上もの溶岩洞窟があるそうなので、昔から大勢のちびっ子達がその中で夢のようなひと時を過ごしてきたのでしょう。 未成年の男性に洞窟が嫌いな人はあまりいなく、探検というほどの冒険でなくても歩き回ってキョロキョロしたくなるのは止められません。 そこで暮らすことを夢想したりして気分が高揚する洞窟ですが、富士山には日本で一番の長さを誇る三ツ池穴もあります。 この洞窟はなんと2キロ以上あるそうで、奥まで入って往復するのなら4キロ以上の行程になるかなりハードな洞窟です。 徒歩だと1時間はかかりそうですが走ると危険ですし、急いでも往復で30分は見ておかなければならない距離でしょう。 また天然記念物の鳴沢氷穴や西湖コウモリ穴もあり、洞窟の宝庫と言ってもよさそうなマウントフジですが、そうした地形もきっと湧き水と関係がありそうです。 ちなみに三ツ池穴は静岡県の富士宮市に、鳴沢氷穴と西湖コウモリ穴は山梨県の南都留郡が所在地になります。 あちこちに大きな洞窟が存在するということで、これがおいしいお水の秘訣という考え方も出来そうですね。 とにかく平地とは比較にならないくらい盛り上がっていたり穴が空いていることが良質な水源の条件かもしれない、ということです。
富士山の植生
大きな川がない富士山は、植物も少ないことで一部の間では有名です。 他の山脈には高山植物が多いのになぜ富士山は植物が少ないのか、その秘密を知りたければこの山が形成された当時を振り返らねばなりません。 今でこそ大人しいのですが昔は活発に噴火を繰り返しており、多くの植物がそれに巻き込まれて根絶やしになったので高山植物が少ない、というのがその理由です。 植物が自生できる環境がないわけではありませんが、噴火によって多くが滅ぼされたことが現在の植生に結びつくのです。 大昔のことなのでその後生えてきた植物もあるのですが、山脈ではなく独立峰のこの山は高山植物が移住してきにくいことも植物が少ない理由になるでしょう。 隣の山からお引越し、というのなら簡単ですが富士山の隣には山はなく、平地の植物では富士山の環境には適応できないため長らく不毛の地となってしまったため、現在のように地面の露出の多い姿になったわけです。 これがおいしい水素水を作り出すコツなのかは知りませんが、全くの無関係ではなさそうな気もしますがどうなのでしょう。 とは言っても高山植物が一切生えていないわけではなく、オンタデなどもちらほらと見かけることはできます。 他にもカラマツ林が茂っていますし、フジアザミだって生えているので緑を楽しむことが不可能ということはなさそうです。